地域ケア個別会議における細かな状況確認の時間削減を実感 | 新富町・福祉課

地域住民がセルフケアできる環境づくりの促進にも役立っています
新富町はどのような特徴がある自治体ですか?
新富町は宮崎県の県央に位置し、海・川・大地に囲まれた自然豊かなところです。人口約16,800人、高齢化率は31.79%(令和4年4月現在)と国に比べてやや高い状況ですが、町民の健康づくり・健康管理対策に関する重要度は高まっており、町民自ら健康づくりや介護予防に取り組み、生きがいのある自立した生活が実現できるよう地域ぐるみで進めているところです。

CareWiz トルトを導入した背景について教えてください。
本町の地域ケア個別会議は、個別事例を検討することで対象者支援の向上を図るとともに地域課題を発掘する場としています。しかし、事例の状態像は紙媒体で共有するため、対象者の細かなニュアンスが伝わりづらいと感じていたところ地域ケア個別会議にアドバイザーとして出席いただいている作業療法士から動画を共有できる媒体としてCareWiz トルトを紹介されたことが導入のきっかけです。歩行分析もできることから事例の見える化ができることに魅力を感じたことが導入の決め手です。
新富町では、どのようにCareWiz トルトを使っていますか?
主に2つの場面で使用しています。
1つ目は地域ケア個別会議です。会議前に、事例対象者の身体の動きを地域包括支援センターの職員等が撮影しています。撮影内容は、アドバイザーであるリハビリの専門職から提案していただいた生活動作に影響する動きや歩行状態、口腔の様子で、対象者の日頃の生活状況がわかるような内容となっています。そして、会議時に事例をアドバイザーや町内の居宅介護支援専門員等会議出席者と共有しています。
2つ目は、介護予防教室での測定です。地区集会所で町民の方が行っているしんとみキラリ輝き体操(いわゆる100歳体操)などの運動を中心とした介護予防教室にて身体測定を実施する際に年に1~2回、歩行能力の指標として使用しています。結果については、コミュニケーションシートとシート内「改善のポイント」に記載されている運動と合わせて個別でお渡しし説明を行っています。

CareWiz トルトを導入してどのように変化がありましたか?
CareWiz トルトを導入したことで、地域ケア個別会議では、伝えづらかった細かな対象者の身体状況がわかりやすくなったとともに、本人の状況確認に要していた時間が削減されました。また、アドバイザーからの助言の際に、「このような動きをする方においては~」といったように、動画を用いながら助言を行う事例も増えています。
介護予防教室においては、参加者同士で結果を見つつ、「自分がこんな歩き方になっているとは知らなかった」「これを維持せんとねー」など声を聞くことから、参加者が自分自身の状況を振り返るだけでなく、一緒に体操を行う仲間と歩行分析結果を共有することで、互いを思いやりつつ、今後も体操を続けるモチベーションの一つになっているのではと感じています。
今後取り組みたいことを教えて下さい。
介護予防教室においては、参加者の状況確認だけでなく、継続的に歩行分析等を行うことで、事業評価や本町の施策を推進するためのデータとして活用したいと考えています。
また、地域包括支援センターの職員や居宅介護支援専門員が、住宅改修や福祉用具貸与等についてリハビリ専門職のアドバイスを受けたくとも、お互いの都合上、タイムリーに同行訪問することが困難な場面もあるかと思います。その点を動画共有にて解決できないかの仕組みを構築したいと考えています。
最後に、今後CareWiz トルトを知り合いの方におすすめするとしたら、一番のメリットはなんとお伝えしますか?
CareWiz トルトは、歩行動画を撮影するだけで、歩容状態を可視化することができるため、リハビリ専門職だけでなく、誰でも簡単に状況を把握できることがメリットだと感じています。サービス支援者・利用者・家族、地域住民、行政の皆が継続的に状況を把握することで、サービスの質の向上だけでなく、地域住民がセルフケアできる環境づくりにCareWiz トルトは大きな役割があると思います。